暖かくなって桜も散って、そろそろ暖房なんかすると暑いかなぁf^^;なんて感じるこの頃。
この時期は空調的には冷房と暖房を切り替える時期です。
ボイラーや冷凍機、冷温水発生機やパッケージエアコンに限らず空調機器を設置している建物はほぼ全て
切り替え」
の作業をしなければなりません。
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冷暖切り替え作業とは文字通り空調機器の設定を冷房用から暖房用へ、暖房用から冷房用へ切り替える作業の事を言うのですが、ビルメン的には割とメンドクサイ作業になります。
家庭用のエアコンであれば、リモコンのボタンで「ピッ♪」なんてもんですよね?
ビルのエアコンも基本は同じですが、ビルだと系統毎に一つの室外機を幾つもの室内機で共用し、設備員の控室などのコントローラーで集中して管理する「ビルマル」というシステムを使っている所もあります。
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エアコンは冷凍サイクルといって、冷媒の状態(位相)変化の際に熱を吸熱・発熱する物理現象を利用していて、室外機・室内機は時期によってその吸熱または発熱を司る場所です。
室外機が一つしかないのに、室内機の設定がバラバラだったら機能に矛盾を引き起こしてしまいます。こういう場合、暖房か冷房のどちらかを優先するようになっているのですが、優先じゃない方の設定をしている室内機は運転待機状態になってしまって、風自体出てこないようになってしまう事もあります。
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なので、エアコンをメインの空調機にしている建物は各室内機の設定を一斉に変えなければならないという事になります。
また、湿度調整の絡みから今まで加湿器などに送っていた加湿用水の給水を止めたり、加湿器や加湿機能があるエアコンへの給水バルブを閉じたり、その配管内に水を抜く作業もありこれも地味に面倒な作業です。

では次に、ボイラー冷凍機水発生機などの熱源機器とエアハンドリングユニットで空調をしている所はどうでしょうか?

こちらもこちらで大掛かりな作業になります。
今の時期だとボイラーは停止させ、ガスの元栓を閉鎖し、各バルブも閉鎖。逆に冷凍機の方はバルブの開放を行います。
エアハンドリングユニットはタイプにもよりますが、冷水や温水(または蒸気)を通すコイルの3方弁を冷水側に切り替えます。
この前に加湿モジュールを外しておいて業者に洗浄してもらったり、自営で洗ったりしますが、まぁそれは別の話f^^;
要は、今まで温水を通していた管に冷水が流れるようにするという事です。

冷温水発生機については、ビルメンには手を出せません(TT)機器が精密&複雑すぎてメーカーさんに切り替えてもらいます。
やってやれない事はないかもしれませんが、万一の事があると億単位の損害を出した上にその季節は冷暖房が出来なくなる可能性があります。
さすがに多少の金をケチってそのリスクを冒すのは冒険が過ぎるというものです。
それでも、機器の切り替え後にヘッダー側のバルブの切り替え操作位はビルメンの仕事になります。
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すべての機器の操作が終わったら、各エアハンドリングユニットやファンコイルユニットに冷温水を流してエア抜き作業をします。切り替え時にはどうしても空気が紛れ込んでしまい、この空気が温熱・冷熱の供給に多大な影響を及ぼします。
全てのエア抜きが終わり、全ての空調機器から季節に合った風が出るのを確認してようやく切り替え作業は終了となります。

かなり端折りましたがこれが「冷暖切り替え作業」です。
ビルメンになろうとする人はこれを毎年2回は必ずする事になるので注意しておいてください。

では今回はこれまでにするとして、また次回をお楽しみに~( ´∀`)ノ





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