この間ビルの受変電設備の短絡接地を取り付け&取り外し作業という物をしました。

中規模・小規模ビルは年次点検以外にこういう作業はありません。
ウチのビルはそれなりに規模が大きいのでSNW(スポットネットワーク)式受電設備が採用されて建てられています。KIMG0672

スポットネットワーク式とは
大規模かつ都市部で採用される受電方式で、通常のビルが高圧6600Vで受電しているのに対し、特別高圧の22000Vを3回線同時に受電する方式です。
通常の高圧受電建物は構成が
受電盤(本線・予備線があったり)
き電盤(受電電圧のまま別棟などへ分ける)
コンデンサ盤
電灯配電盤
動力配電盤
保安電灯・保安動力盤
(発電機に繋がる)
くらいな物ですが
スポットネットワーク式だと
上記の構成に加えて
前段の写真のような
ネットワーク監視盤
負荷開閉器盤
ネットワーク変圧器盤
VCT・プロテクタ盤
テイクオフ盤
母線連絡盤
などが追加されます。
もちろん、き電盤や配電盤の数は何倍も増えます。
また、負荷開閉器盤~VCT・プロテクタ盤は3回線分あります。
ちなみに特別高圧22000Vという言葉で
「どこかの電気ネズミの10万ボルトよりショボイな」
なんて思ってはイケマセンf^^;
あれを扱うには電験三種を超える資格が要るんですから(><)

さてスポットネットワーク式はもののテキストに拠れば、
プロテクタ遮断器
ネットワーク変圧器
プロテクタヒューズ
があって
供給信頼度が高い

位の事しか書かれていないので自分もよくは解ってイマセンf^^;
電験2種や1種のテキスト位になれば多少は解るのかも知れませんがそれでも管理や運用となればテキストだけでは心許ない気がします。
これに関する実務書では



を読む事をおススメします。
実際これには何度もお世話になりました。
今回の短絡接地のやり方や送電停電操作の方法もしっかり書かれていて電気に関する事では並ぶ物のない本だと思います。


さて、本題の短絡接地ですが最初に書いた通り通常の高圧受電では停電させての年次点検でしか必要のない事です。
そもそもの目的は、主遮断器(VCB等)や区分開閉器(PASやUGS)、断路器を開き送電線からの切り離しをした後に断路器の一次側に短絡接地金具を取り付けて、うっかり区分開閉器が誤投入されてそれに触れてしまっての感電事故を防ぐ為です。
kanden_gaikotsu
kanden_gaikotsu
今回の作業では特にウチが何か点検する為ではなく、ネットワークに別の需要家が追加されるのでその工事が行われるので一旦停電させる必要があり、その接続相チェックやついでのケーブル点検を電力会社作業員が入館して行うのでその安全確保の為です。
他の需要家の点検時は送電停止まででしたが今回はその為に短絡接地作業が必要だったのですね。

ちなみになんで他の需要家が関わるの?

って疑問に思われたかと思いますが、スポットネットワークは3回線接続で供給信頼度が高い故か、区分開閉器が存在せずいくつかの需要家がネットワークに接続されていていわば一蓮托生の関係にあります。
なので、他の需要家の一つが特別高圧部分の点検を行う時は他の需要家もその回線を停電させなければけません。
つまり、ネットワークに繋がっている需要家は
年に繋がっている需要家の数だけ送電停止する
必要がある訳でそこの所が一蓮托生なんですねf^^;

しかし、一度に停止するの1回線なので、
送電停止しても他の回線が活きているので
他の需要家が停電する事はありません。

それぞれで送電停止作業をする必要はありますが・・・・

短絡接地のの様子ですが、
いろんなスイッチの操作や電力会社とのやり取りがありますが、こんな風になりました。
KIMG1017
これが
KIMG1020
こうなりました。

下から三つ又の金属棒がウィーンってせり上がってきて上の受けに合体してなんだかロボットアニメのワンシーンみたいで
「カッコイイ!!」
とか思ってしまいましたf^^;

さて、もっと書きたい事はありますが今回ここまでにしてまたいつか詳しく書こうかなと思います。


ではまた次回をお楽しみに~( ´∀`)ノ





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