この設備の概要はこうで、何かあったらこう対応する。

なんて決まりきった処置法なんてないのが障害対応ですが、実際のところは
絶対これだけは知っていて、確認しとけ!
って事は確かにあります。

今回は最近あった障害の事から書いてみます。
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私の休みの日の事ですが、高置水槽に水を送る増圧ポンプから満水警報が出たそうです。
満水警報とは読んで字の如く、貯水槽または排水槽に貯めている水が規定水量を超えてしまったという警報です。
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排水槽の場合はポンプをフル稼働させて排水が少なくなるのを待ったり、これ以上排水が増えないように水の使用を一時的に控える等の手があります。

高置水槽や受水槽の場合はどんな手があるでしょうか?

というより高置水槽へ水を送るポンプは水槽に取り付けられている電極棒で制御されているので普通は満水になどなる訳がないのです。

排水槽はフロートスイッチでの制御ですが、コッチは満水になる前にポンプを動かして下水道に排水するのですが使用される水が想定以上に使われて排水槽へ流入するとポンプの下水道への排水能力を超えて満水になる事はありえます。もしくは豪雨などでも雨水槽で同じ事が言えますね。

比べて高置水槽などの貯水槽では使用出来る水を一定量確保し、維持するのが目的なので電極棒で水面の高さを検出してポンプを動かしたり停めたりしています。
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満水警報が出るとビルメンの控室に警報が行きます。

ビルメンはもちろん現場、この場合は高置水槽からポンプを経由して発報しているのでポンプへ行きます。
そして満水警報が出ているのを確認して、今度は水槽の現場へ行きます。
すると、確かに高置水槽のオーバーフロー管から水が溢れていたそうです。
ココで少し頭が回る人なら
なんで警報が出る前にポンプが停まらなかったのか?
と疑問に思い、水槽表面に付いている電極棒の端子カバーを開けて確認したかも知れません。

制御の原理を知っていれば単純に満水警報だけが出る事はなくて、電極の異常を疑うべきだったのです。
その日居た人はポンプの警報履歴を見る方法が分からなかったそうです。
警報を見つけて焦ったのかもしれません。
翌日、私が出勤して説明書を確認して履歴を調べると・・・・・・・
電極異常
が出ていました。
これは満水と減水警報が両方検出されている状態です。
まだ確認していないので確たる事は言えませんが、
1.水位が下がってポンプ起動させる電極が信号を飛ばしポンプ起動
2.減水を検出する電極棒の配線が外れて減水警報発報
3.水位が上がって満水を検出する電極棒に水面が触れて満水警報が発報
4.しかし満水と減水の矛盾する事態になりポンプ停止優先のシーケンスでポンプ停止
5.ポンプ停止や満水警報の電極はオーバーフロー管ギリギリの高さなので停止のタイミングが遅く水が溢れてしまった


というストーリーではないかと考えています。

当日の勤務状況は分かりませんが、説明書で警報履歴を調べるという発想と発報の順序を考える余裕があればスムーズに解決でいていたかもしれません。

というか、まず水槽やポンプ関係では水面制御の原理を最低限知っていなくてはなりません。

説明書を確認・水面制御から原因特定。
この流れは給排水のテッパンです。
給排水に限らず電気・空調・消防設備などこういったテッパンがあって、その応用で解決するというのが障害対応の基本です。

臨機応変とは言いますがこの辺押さえないといつまでも
障害対応が怖い
という気持ちが抜けないかも知れませんねf^^;


ではまた次回をお楽しみに~( ´∀`)ノ




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