一か月程前こんなニュースがありました。
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床じゃなくて天井パネルだろ
とかいう突っ込みはまぁ置いといてこの記事コメント欄にあった我々ビルメンテナンス業に従事しているであろう、または多少かじったんであろう人々のコメントに少々違和感を覚えました。
sagyouin_woman09_question

曰く
普通はキャットウォークとか足場板、吊りボルトに付いているアングルの上を歩くもので不用意に天井パネルの上に乗って踏み抜いたのだ。
曰く
そういう用意を怠った手抜き会社だ
などなど。
正論です。正論ですが
現場の状況も知らずに人の事だと鬼の首取ったみたいに好き放題言ってるよなぁ(;´Д`)
というのが正直な感想です。
20120817201943fa1s

確かに天井内で作業する時は天井パネルや点検口に乗ったり体重を掛けたりするのは厳禁というのは常識です。
そもそも天井パネルやボードは天井にある配管やダクト、躯体等の建築材料を隠して見た目を良くする物なので人が乗る程の強度はない物です。

物事には事情というものがあります。
例えば今の私の現場の話ですが、
とてつもなく古い建物なので天井内は増改築を繰り返し、排気ファンやダクト空調配管や電気配管、電気の配線、給排水管などなどギッチギチで中に上がって作業など思いもつきません。
何かやるなら近くに点検口を増設して上半身だけ入れてやる事しか出来ません。

商業施設にいた時はそういう状況ではなく何かやる天井内は足場が強靭なコンクリだったりして気にする事もなかったりでしたが、
ホテルの頃は天井内にある空調機の点検の時は足場板も最低限しか設置されてなくそこまで辿り着くのに躯体に刺してある吊りボルトをチンパンジーのように伝って空調機に取りつくという恐ろしい事もしていました。
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何を言いたいかというと事故を起こしたのは事実としても
現場の状況も知らずに正論を叩きつけるのはちょっと傲慢が過ぎるんじゃないか?
という事です。
自分だってそこが自分の職場だったらそうなっていたかもしれないし、実は作業をするのにパネルを踏み抜かないような行動の仕方があってそれを失敗してこんな事になったのかも知れない。
後からならなんでも言えるのですし・・・・

こういう時はせめて自分の職場で思い返して安全活動を見直すとか建設的な議論をしたいものです。

どうだったでしょうか?
Yahooとかのトップ画面とかでこういうニュースを見つけると
不注意とかルール無視
とかに目がいきがちですが私は事故が起こっていなかったそれまでの日常に興味が行くようになりました。
事故が起こったので結果的にそれは間違っていたのでしょうが、
1.じゃあそれ以外に取り得る方法があったのか?
2.その取り得る方法が受け入れられる状況(予算やスケジュール調整)だったのか?

この辺を考えられないと色々と他人事になってしまうんじゃないかなぁと思います。

ではまた次回をお楽しみに~( ´∀`)ノ




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